B.B.クィーンズ、Mi-Ke、ZARD、T-BOLAN、WANDS、BAAD、REV、ZYYG

長戸大幸プロデューサーはアーティストをデビューさせるにあたり、特に最初に重要なポイントを以下のように述べています。
“アーティストをデビューさせるのに大事な事は、歌い方、写真、そして名前です。”

歌い方に関しては、色々な可能性、方向性を試して、一番良いものが出来た時に初めて決定しますが、この始めの一歩にとても時間や手間をかけていきます。
次に写真ですが、これはプロフィール代わりなので、非常に重要なファクターになります。
そして名前は、そのアーティストのイメージを決定付けるものとして非常に大切な物です。Beingグループのアーティストは、ほとんど全て長戸プロデューサーが命名しています。

さらに、長戸プロデュースの方針として、“アマチュアあるいはインディーズで組んできたバンド、あるいはユニットだと、プロとして土俵に上がって、いざ進もう、という時に仲違いしてしまうケースも少なくありません。なので、機能的、かつ適切な組みあわせで結成させた方が、失敗が少ないです。”というのがあります。
例えばビートルズは 曲の作れるメンバーが3人(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン)も居たので、役割分担があやふやになり、解散してしまいました。一方ローリング・ストーンズは、作品作りに関してはミック・ジャガーとキース・リチャーズの二人体制ですが、色々な面で正反対だからこそ、磁石のように引き合って、結果今も存続しています。
各々別々に活動していたメンバーが、機能的なチームを意識して、それぞれの役割を自覚するというのは、プロデューサーがグループを結成させて命名しているからこそ、スムーズに進むのです。それでは今回は、アーティストの名前とその由来等について、説明していきましょう。

【B.B.クィーンズ】
B.B.クィーンズはブルース・シンガー兼ギタリストの近藤房之介さん、ソウル・シンガーの坪倉唯子さんを中心に、増崎孝司さん(Gt. from DIMENSION)、栗林誠一郎さん(Ba.&Vo.)、望月衛介さん(Key.)、そしてオーディションで選ばれたコーラスの宇徳敬子さん、村上遥さん、渡邊真美さんで結成されました。「おどるポンポコリン」を始め、多くのヒット曲を輩出しています。
名前の由来はB.B.キングからきています。彼は米国が生んだ偉大なブルース・シンガー兼ギタリストで、1925年生まれですが今も現役で活動しており、音楽雑誌[ローリング・ストーン誌](2011年調べ)でもギタリストの6位に選ばれています。
坪倉さんがリード・ヴォーカルを務める事で始まったので、女性という事で「クィーンズ」と名付けられたB.B.クィーンズ。実力派のメンバーが集まり、大人が真剣に遊び心で音楽をやる、というコンセプトで活動しています。

【Mi-Ke】
前述のB.B.クィーンズのコーラス・オーディションで選ばれた宇徳敬子さん(Vo.)、村上遥さん(Cho.)、渡邊真美さん(Cho.)の3人で、結成されました。「想い出の九十九里浜」を始めとしたヒット曲が多数あります。
日本原産の猫「三毛猫」の3色(白=宇徳さん、茶色=村上さん、黒=渡邊さん)をモチーフにしています。

【ZARD】
坂井泉水さん(Vo.)は前述のB.B.クィーンズのコーラス・オーディションで選ばれませんでしたが、その彼女を中心にZARDが結成されました。「負けないで」「揺れる想い」を始め、沢山のヒット曲があります。
彼女のプロジェクトを結成するにあたり、長戸プロデューサーがZARDと命名しました。これは何度か取り上げておりますが、ZARDというのは造語で、そのスペルには、blizzard(大吹雪)、hazard(危険)、lizard(トカゲ)、wizard(魔法使い・奇人)等の接尾語的な要素があり、どちらかというと好かれていない存在、意味等を表している事が多く、ロック的なイメージを出すために、あえてそういう名前(ZARD)にしています。またZという発音も破裂音を含み、男らしい印象になります。初期のビジュアル・コンセプトも暗い、ロック的なイメージに統一されていました。

【T-BOLAN】
森友嵐士さん(Vo.)、青木和義さん(Dr.)、五味孝氏さん(Gt.)、上野博文さん(Ba.)の4人編成バンド。「離したくはない」「Bye For Now」を始め、数々のヒット曲があります。
名前は、70年代にグラム・ロックで活躍していたT.Rexと、そのヴォーカルのマーク・ボラン(Marc Bolan)に由来しています。またさらに、TはTear(涙)の意味合いも持たせており、例えば公式ファンクラブの「Tears Information」に使われています。

【WANDS】
WANDSは上杉昇さん(Vo.)、柴崎浩さん(Gt.)、大島康祐さん(Key.)の3人で結成(第一期WANDS)。第二期WANDSでは大島さんの代わりに木村真也さんが入り、上杉さんと柴崎さんが抜けた後に、木村さんと和久二郎さん(Vo.)、杉元一生さん(Gt.)で第三期WANDSとなりました。「もっと強く抱きしめたなら」「時の扉」など数多くのヒット曲があります。
名前の由来は、タロットカードの「杖」(wands=ワンド)から来ています。さらに第二期WANDSになった時に、上杉さんのローマ字表記を“Uesugi”から“Wesugi”に改めていて、これは柴崎さん“Shibasaki”、つまり二人の頭文字を合わせて、“W and S”すなわち“WANDS”だ、という言葉遊び的な要素も持っています。

【BAAD】
山田恭二さん(Vo.)、大田紳一郎さん(Gt.&Cho)、小林正道(Ba.)、新井康徳(Dr.)の4人編成のバンド。途中でヴォーカルが山田さんから秦秀樹さんに代わりました。「君が好きだと叫びたい」などのヒット曲があります。
BAADというのは、BADのAクラス、つまり最上級にBADだ、という造語です。本来、英語でbadは、worse(比較級)、worst(最上級)となっています。そのあたりをあえて崩していく所に、名付けのポイントとこだわりがあります。

【REV】
出口雅之さんのソロ・プロジェクト。「甘いKiss Kiss」などのヒット曲があり、またZYYG,REV,ZARD&WANDS featuring 長嶋茂雄「果てしない夢を」(作曲は出口さん)にも参加しています。
REVは、revolution(革命)、トカレフ(tokarev/ロシアの拳銃)から想起させる造語です。ロック・スピリッツに欠かせない“暴力的”な雰囲気を醸し出しています。

【ZYYG】
ZYYGは、高山征輝さん(Vo.)、栗林誠一郎さん(Ba.&Cho.)で活動を開始、栗林さんが脱退してからは、高山さんと後藤康二さん(Gt.)、加藤直樹さん(Ba.)、藤本健一さん(Dr.)の4人編成バンドとなっています。「君が欲しくてたまらない」等、多くのヒット曲があります。
名前の由来は、言葉の響きを重視したもので、Z、Gといういずれも破裂音を含む音で構成されています。

ちなみに、長戸プロデューサーは頭文字Bに着目して、名前を考えるケースも少なくありませんでした。それはクラシック音楽のバッハ、ベートーベンや、ロックのビートルズ、ボブ・ディラン、ボンジョビ等、Bで始まる名前が非常に多く、こうした破裂音には勢いと破壊力があり、スターになる可能性を秘めている、という分析です。プロデューサーの命名には、BOOWY、B’z、また前述のB.B.クィーンズ、T-BOLAN、BAAD等、Bを意識したアーティストが数多いです。
また破裂音にはZ、そしてG等もあり、ZYYG、ZARDなども同系列の意義を持っています。

Being Works  第24回 番外編 アーティストの名の由来 vol.1
text by Hiroshi Terao

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