テルル132と129mが上位に来てますが・・・高崎CTBT放射性核種探知状況(2011年3月)

遅くなりましたが、高崎で観測された核種別放射能濃度を記録しておきます。皆さんが、口で鼻で目でのどで肺で感じた違和感の主な原因はどれであったか、よくよく想像力を働かせて考えてみてはいかがでしょうか。テレビやマスコミで説明されてきたこととつじつまが合っているでしょうか。

放射性キセノン133と135の放射能濃度の測定は別に行っていて、その濃度が最も高い可能性があります(※1)。また、3月14〜15日のデータが欠落していますので、この数字よりもっと大きい放射能濃度が到達していた可能性もあります。しかしながら、データが示されていないことに不平を言っていてもらちが明かないので、ここではその議論を省きます。

この測定は24時間サンプリングしてから24時間かけて測定しているとのこと。したがって、半減期が短いほど減衰効果が大きいはずであり、時間によって見積り濃度が大きく変わると思われます。例えば、半減期が数時間しかない核種については、24時間前にさかのぼれば濃度は10倍以上になるケースも含まれてくるはずです。

ということで、絶対値の不確定性を考慮しながら、下記の表の3月15〜16日のデータにフォーカスし、放射能濃度が高い順にグループ分けしてみると、以下のようになります。この表は、粒子状のものに関する測定データであり、ガス状のものは含んでいないものと思われます。(粒子状のものに比べて、ガス状のものの放射能濃度は十分低いだろうという思いこみから。)

  (2011-3/14〜3/15のデータが欠けていることに注意!)
                

【赤グループ】
 テルル132
 テクネチウム99m
     (前後の日付の数値と他の核種の推移から類推)
 テルル129m
 ヨウ素131
 ヨウ素132


【青グループ】
 セシウム134
 セシウム137
 テルル129
 ランタン140


【緑グループ】
 セシウム136
 バリウム140


さて、どうでしょうか。赤グループの放射能濃度は、青グループの数倍以上ありますよね

テルルやテクネチウムの影響に関する議論はどうなったのでしょうか?

特に、テルル129mはヨウ素131よりはるかに半減期が長いので、ヨウ素131以上にテルル129mによる被曝も考慮する必要があるのではないでしょうか? 3/15時点での放射能1.5倍×半減期4倍=被曝量6倍という計算になるのではないでしょうか?

同様の計算はテルル132でもできて、 3/15時点での放射能1.8倍×半減期0.4倍=被曝量0.7倍という計算になるではないでしょうか? したがって、ヨウ素131による被曝量にテルル129mとテルル132による被曝量を追加するならば、ヨウ素131のみによる被曝量の(1+6+0.7)=7.7倍になります。すなわち、これまでの被曝量の見積りは7.7分の1に過小評価されていたということになりませんか? ついでに言わせてもらうならば、数字が抜けているという理由で、テクネチウム99mを無視して本当にいいんですか?


こんな放射性物質が高濃度に含まれる微粒子が口・鼻・のど・肺内に付着したら、局所的な放射線密度は桁違いに大きくなるのではないでしょうか?カリウム40が極めて低濃度で分散している昆布を鼻腔に詰める実験など、何の比較実験にもならないのは明白ではないでしょうか?

空間放射線量率の上昇が比較的少ない高崎でさえこのような数字なのだから、空間放射線量率の上昇が多い周辺地域はもっと放射能濃度が高かったと思うのがスジではないでしょうか?

この空気を吸った人と吸わなかった人では内部被曝量が大きく異なるはずですが、誰がどのくらい吸って、それによる影響がどの程度あったか、国や専門家は調べたのでしょうか?

この表に出てこないベータ線放出核種、アルファ線放出核種はどうなっているのでしょうか?

このように、素人考えでもいくつも疑問が湧いてくるのに、専門家は疑問に思わないのでしょうか?専門家も疑問に思うなら、なぜ、そのリスクと具体的対策を国民にわかりやすく説明してくれないんでしょうか?

・・・わかります。みんな自信がないんですよね。きっとそうです。もし自信があるなら、とっくの昔に、分かりやすくかつ納得できるように説明してくれているはずです。すなわち・・・無理だってことです。そのように理解してます。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

・テクネチウム99mは、モリブデン99から生成されたことが考えられる。そうであるならば、モリブデン99も存在するはず。定量が困難な事情があるのだろうか。
・テルル129は、テルル129mから生成されたことが考えられる。
・ヨウ素129は、半減期1570万年の放射性元素である。
・ヨウ素132は、テルル132から生成されたことが考えられる。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況
(2011年6月25日時点)

http://www.cpdnp.jp/pdf/110701Takasaki_report_Jun25.pdf

 今般、CTBTの検証制度の下で、我が国の高崎(群馬県)に設置されている放射性核種探知観測所において、福島原子力発電所の事故に起因すると思われる複数の人工放射性核種が探知されたとする報告書が、CTBTO準備委員会技術事務局の国際データセンターによって取り纏められました。本報告書の概要は以下のとおりです。
 なお、この概要を活用される場合には、以下の点にご留意願います。
@CTBTの観測施設は、国外での核兵器の地下爆発的実験によって大気中に漏れ出す極々微量の放射性核種の種類とその濃度を検出することを目的としており、その検出能力は、今般の福島原発の事故によって生じた放射性核種の濃度の水準の何桁も下のレベルの放射性核種を検出することが可能な極めて感度の高いものであること。
Aこの観測は人体への影響についての測定を目的とするものではなく、人体への影響については、高崎付近(前橋市)の放射線量の計測値が、文科省等の関連ホームページに掲載されておりますので、そちらをご参照願います。
     ・
     ・
     ・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
朝日新聞   2011年8月27日21時8分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108270350.html

原発周辺住民は「ヨウ素剤飲むべきだった」 識者が指摘

 東京電力福島第一原発の事故で周辺住民が飛散した放射性ヨウ素を空中や食品から体内に取り込むことによる甲状腺の被曝(ひばく)は、健康被害を予防する安定ヨウ素剤を飲むべきレベルだった可能性があることが、27日、埼玉県で開かれた放射線事故医療研究会で指摘された。

 今回、政府は原発周辺住民にヨウ素剤の服用を指示しなかった。しかし研究会では、原子力安全委員会の助言組織メンバー、鈴木元・国際医療福祉大クリニック院長が「当時の周辺住民の外部被曝の検査結果などを振り返ると、安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだった」と指摘した。

 3月17、18日に福島県で実施された住民の外部被曝検査の数値から内部被曝による甲状腺への影響を計算すると、少なくとも4割が安定ヨウ素剤を飲む基準を超えていた恐れがあるという。

 放射性ヨウ素は甲状腺に集まりやすく、甲状腺被曝では放射性ヨウ素の中では比較的、寿命が長い放射性ヨウ素131(半減期約8日)だけが考慮されていたが、広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授は「半減期が2時間と短いヨウ素132も考慮が必要」と指摘。理化学研究所などが3月16日に原発30キロ圏外の大気を分析した結果、放射性物質の7割以上が放射性ヨウ素132や、約3日で放射性ヨウ素132に変わる放射性物質だったという。(大岩ゆり)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※1
核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定
米沢仲四郎、山本洋一、ぶんせき、2011年8月号、451-458.
http://www.cpdnp.jp/pdf/002-07-yone002.pdf
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
msnトピックス   2014年7月4日 01:10 (サイゾー)
http://topics.jp.msn.com/wadai/cyzo/article.aspx?articleid=4960926

東京、埋もれた内部被ばくを示唆するデータ 放射線量と放射性物質濃度が一時ピークに

 2011年3月15日午前10時、東京にはおびただしい種類の放射性物質が一気に降り注いでいた――。東京電力福島第一原発事故による東京都内の放射能汚染について、京都精華大学の山田國廣名誉教授(環境学)が一般にはあまり知られていない公的な測定データを掘り起こし、独自に分析。放射線量と放射性物質濃度が極めて短時間、かつ同時にピークを迎えていたことを明らかにした。「その時間帯に屋内、屋外のどちらにいたかで内部被ばくの影響がまったく違うだろう」といった教訓を、今後の原発事故の避難計画などに生かすべきだと呼び掛けている。





●3月15日10時台に降り注いだ「テルル」系核種

 山田名誉教授は福島の福島市や郡山市、飯舘村などで住民参加による除染を試行しながら、原発事故直後の初期被ばくについてあらためて研究。福島と比較するために東京の情報を収集したところ、ある研究機関のデータに行き着いた。東京都立産業技術研究センター(産技研、本部・江東区)が11年3月13日から測定していた大気浮遊塵(じん)中の放射性物質濃度などのデータだ。

 産技研は世田谷区にあった旧駒沢支所の敷地内で、集塵装置の濾(ろ)紙を用いて大気中の塵(ちり)をピーク時には1時間ごとに捕集し、ゲルマニウム半導体検出器でガンマ線を計測。高濃度だった3月15日分は日本分析センターに委託してベータ線核種の放射能濃度も測定していた。

 それによれば、福島第一原発1、3号機の爆発を経て2号機も状態が悪化していた15日は、午前3時台にヨウ素、テルル、セシウムなどの放射性物質を12核種、大気1立方メートル当たり計41.6ベクレル検出。数値は午前7時台から急上昇して9時台に261.2ベクレル、10時台にピークの1205ベクレルに達した。

 このとき最も多かった放射性核種はテルル132で390ベクレル、次いでヨウ素132の280ベクレルだった。

 テルル132は半減期が約3日で、ベータ線を出しながらさらに半減期が2.3時間と短いヨウ素132に変わる。つまり両者は「親子関係」にあり、次々とベータ崩壊をして別の放射性物質に変わっていく。データによれば、15日10時前後はこの「親子」が東京に降り注いだ放射性物質の半分以上を占めている。

 山田名誉教授は「初期被ばくといえばヨウ素131(半減期約8日)とお決まりのように言われていたが、それ以前にテルル132、ヨウ素132にも注目しなければならず、実際に東京の大気中にあったのはその両者が大半だということがわかった。これは非常に重大な事実だ」と指摘する。

●「安全」強調、縦割り態勢で生じた「死角」

 このデータについて、元都環境局職員で廃棄物処分場問題全国ネットワーク共同代表の藤原寿和氏は「東京方面にホットスポット(放射線量の高い場所)が生じたときに、都内でこれほど詳細なデータがとられていたとは知らなかった。埋もれていた貴重なデータであることは間違いなく、詳しく解析する必要があるのではないか」と話す。なぜこれほどのデータが「埋もれて」しまっていたのか。

 産技研の放射能測定部門は昭和30年代に設立された旧都立アイソトープ総合研究所の流れを汲む。大気塵中の放射能濃度測定はチェルノブイリ事故以来、都の地域防災計画に基づいて行われ、今回の福島事故でも地震翌日から24時間態勢で実施。測定結果は毎回、産技研から本庁に伝えられた。

 ただし、都立工業技術センターや繊維工業試験場などとの統合を繰り返し、地方独立行政法人となった現在の産技研の管轄は、都産業労働局の「創業支援課」。同課自体は放射能測定や原子力防災とは縁遠い。

 データも当初、ヨウ素131、ヨウ素132、セシウム134、セシウム137の4核種についてのみ公表されていた。テルルを含めた12核種のデータは11年12月26日になって、3月から9月末までの測定調査の報告書の中で公表。その形式は一貫して数字が羅列されたPDFファイルで、意味を読み取りにくい。発表内容もこの期間の大気浮遊塵の吸入による内部被ばく量をシーベルト(Sv)換算すると、成人で24マイクロSvと推計され、「自然界に存在するラドンの吸入による年間400マイクロSvに比して小さなものとなっている」などと「安全性」が強調されていた。

 報告書について「記者クラブへの投げ込みとレクのかたちで報道発表し、新聞4社ほどの記事になった」(創業支援課)というが、いずれも「安全性」を取り上げて扱いも大きくなく、産技研の測定担当者は「マスコミの反響はほとんどなかったと記憶している」と話す。

 一方、環境中の放射能測定は旧都立衛生研究所の流れを汲み、保健福祉局管轄の都健康安全研究センター(新宿区)も担っており、塵や雨など降下物中の放射性ヨウ素とセシウムの濃度を11年3月18日から毎日測定、公表している。また、原子力防災を含む地域防災計画を立てるのは総務局。こうした縦割り態勢の中でデータが埋もれる「死角」が生まれたともいえそうだ。

●「逃げる」だけでない避難計画を

 山田名誉教授は産技研のPDFから1つ1つの数字を表計算ソフトに移してグラフ化。これに健康安全研究センターが同期間に測定した1時間ごとの放射線量データを重ね合わせるなどして細かく分析した。そこから、放射線量と放射性核種濃度のピークがほぼ一致し、15日10時前後の6時間ほどに集中していることがわかった

 また、この東京のデータを基に福島の原発周辺地域を中心とした各地の空中浮遊核種濃度を推計、双葉町では3月12日午前6時に1立方メートル当たり292万ベクレルに達したとの数字をはじき出している。山田名誉教授は、次のように訴える。

まず、東京都民はあの3月15日午前10時ごろにどこにいたかを思い出してほしい。原発20キロ圏内では『逃げる避難』しか想定されていなかったため、避難中や避難先でも屋外にいて初期内部被ばくを受けた。避難の目的を『逃げる避難』から『初期被ばく防止』に切り替え、線量の上昇を察知したら数時間後に大量の放射能が浮遊、降下してくると想定して住民を適切に待機させるような避難計画を立てるべきだ」

 なお詳細な論文は、学芸総合誌『環』(藤原書店)で発表される予定だという。
(文=関口威人/ジャーナリスト)

※画像は作成:山田國廣・京都精華大学名誉教授
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
土壌中のテルル132濃度の分布
−Green Areaがどこまで広がっているか、確認してみましょう。−


Environ. Sci. Technol., 2013, 47 (10), pp 5007–5012
DOI: 10.1021/es304730b
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es304730b

Estimation of Te-132 Distribution in Fukushima Prefecture at the Early Stage of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Reactor Failures

Keiko Tagami, Shigeo Uchida, Nobuyoshi Ishii, and Jian Zheng
Office of Biospheric Assessment for Waste Disposal, National Institute of Radiological Sciences, Anagawa 4-9-1, Inage-ku, Chiba-shi, 263-8555 Japan
Publication Date (Web): May 10, 2013

Abstract
Tellurium-132 (132Te, half-life: 3.2 d) has been assessed as the radionuclide with the third largest release from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) in March 2011; thus it would have made some dose contribution during the early stage of the reactor failures. The available data for 132Te are, however, limited. In this study, available reported values of other isotopes of Te were compiled to estimate 132Te concentration (in MBq m–2). It was found that 132Te and 129mTe (half-life: 33.6 d) concentrations were well correlated (R = 0.99, p < 0.001) by t test. Thus, 132Te concentrations on March 11, 2011 were estimated from 129mTe using the concentration conversion factor (132Te /129mTe) of 14.5. It was also found that since deposited 129mTe was well retained in the soil, the data collected in March–May of 2011 were applicable to 132Te estimation. It was possible to obtain the first 132Te concentration contour map for the eastern part of Fukushima Prefecture, including data from within the 20-km exclusion zone around the FDNPP, using these newly available estimated 132Te data sets.
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【関連ブログ記事】

高崎観測所と千葉市内における放射性キセノンの測定(核分裂反応の検出) 核実験と福島第一原発事故
作成日時 : 2013/04/27 13:03
http://behind-the-days.at.webry.info/201304/article_20.html

国連・放射線影響科学委員会 福島原発作業員内部被曝量 133Iなどを考慮せず過小評価した可能性を指摘
作成日時 : 2013/10/13 11:34
http://behind-the-days.at.webry.info/201310/article_14.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−








BIGLOBEニュースロゴ

ニュースをもっと見る

最近の画像付き記事