モラルハラスメントの加害者と被害者の性格行動の特徴1:相手の感情や内面に対する共感性

モラルハラスメントの加害者になってしまう人の『社会的・職業的な属性』はさまざまですが、『自己愛性の強さ・孤独耐性の低さ(見捨てられ不安)・支配欲求の強さ・真の共感性(思いやり)の欠如・デリカシーの無さ(相手が嫌がっている事が分からない極端な鈍感さ)』といった特徴は共通しています。

モラハラは『外面(そとづら)が良くて知らない人からはしっかりした優しい夫・妻と見られやすい』という傾向があるので、大企業社員・公務員・専門職など社会経済的に安定している人がモラハラをしやすいと言われることもありますが、統計的に有意な差があるのか否かは明らかではありません。

ただ、社会的経済的な地位があるような相手と結婚している専業主婦・アルバイト(パート)の人がモラハラを受けているという場合には、『経済的に依存している弱み(一人で人生を生きられない自信の無さ)』『仕事がしっかりしている配偶者に社会的信用があること(この人がそんなことをするはずがないというモラハラの疑われにくさ)』が関係していることが多くなっています。

モラルハラスメントの被害者になる人は、『経済生活の必要性・心理的な申し訳のなさ・相手の所得への依存性・結婚生活や出産育児の制約』によって、無意識的に弱い立場に立たされやすくなっている(正面から反論や抵抗をしづらくなっている)という側面もあります。その不利な状況を逆手にとって精神的攻撃を加える加害者もいますが、モラハラの事例では被害を受けていても『神経質で気にしすぎる自分が悪い・もっと体と心が強ければ良かったのに・他の人だってこのくらいの嫌なこと(ストレス)はあるはずなのに自分だけができない』といった自責感(自罰傾向)によって苦しめられることも多いのです。

自分が相手に経済的に依存しておらず、社会職業的に自立している度合いが高いのであれば、モラルハラスメントに該当する『攻撃・皮肉・あてつけ』を受けたとしても、その被害を最小限に抑え込んだり常識的な反論をした上で、短期間で別離(離婚)を突きつけてしまうこともできます。

相手の期待を満たして上げられないことで自分で自分を責めやすかったり、自分が悪くない場合でも相手に対して罪悪感を感じてしまいやすかったりという基本的な性格傾向を変えることは難しいのですが、『自分自身を大切にする価値観・自分と相手の関係を冷静に見つめられる判断力・ダメなことはダメであると主張できる境界線』を認知療法的なカウンセリングを通して身につけていくことも、モラルハラスメントの環境・関係から抜け出そうとする助けになります。

また加害者の側も、相手に対する『決定的な強み』を持っていないことが明らかな状況で、相手が別れようと思えばすぐに別れられるだけの能力や覚悟、プライドを持っていることが伝わっていれば、迂闊に相手を軽視したりバカにしたような言動は出来なくなります。モラハラをする人は、他者への共感能力が低くて自分が悪いという罪悪感を抱きにくく、相手に酷いことを言ったりしたりしても、そのことを次の日にはケロリと忘れてしまうような鈍感さがあります。

モラハラの加害者になる人の一つのタイプとして、どんなトラブルや喧嘩、嫌がらせがあっても、ご飯をバクバク食べて食欲は落ちず、少し前に言っていた嫌味・非難など忘れて能天気な発言をしたかと思えば、夜は夜ですぐに横になってガーガーといびきをかいて寝てしまうという『デリカシーのない鈍感さ・本能に従った生活リズム(自律神経系の乱れにくさ)・相手を追い込んでいることへの自覚の無さ』というのもあります。

モラハラの被害者は、相手に言われた不快な言葉や脅し(無視)の態度で悩み続けているにも関わらず、そんなことなど何もなかったかのように能天気にはしゃいだり大飯を食らって寝たりするわけですが、そういった感情・悩みの温度差を感じる日々が繰り返されるうちに、『相手の人間性(人としての本質・中身)への信頼感』が完全に壊れていきます。

初めのうちは、相手のあけっぴろげな明るさや能天気さ、よく食べよく眠るの健康を長所と見なすこともあるのですが、自分が苦しんでいても困っていても、死にたいとまで思っていても、その明るさ・能天気さ・生活習慣が何も変わらない様子を見ていくうちに、『この人は他人の痛み・苦しみを何も分からないし分かろうともしてくれない人なのだ』という失望感や不安感、諦めの気持ちが強まっていきやすくなります。この人には真剣に話しても何も返ってこない、何を話しても無駄だと思い始めると、モラルハラスメントの問題は関係性(コミュニケーション)の断絶やその人と一緒にいることの苦痛の問題へとつながっていきます。この記事は、『前回の記事』の続きの内容になっています。






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