WACHSEN(ヴァクセン)のショールームに行ってきた

通販でよく売れている折りたたみ自転車と言えば、ドッペルギャンガーの他にもいろいろあるようですが、その中に、(株)阪和WACHSEN(ヴァクセン)というブランドがあります。代表的な車種としてはBA-100 Angriffが挙げられるでしょう。価格.comの折りたたみ自転車ランキングでは、売れ筋、注目のランキングでトップ5入りしています(2011年7月2日確認)。
この BA-100 は、20インチで6段変速のアルミ合金製フレームによる折りたたみ自転車という、DAHON なら Metro D6、ドッペルギャンガーなら 202 blackmax あたりに相当する車種です。しかし、この自転車の1ユーザーの方がつくられたWACHSEN BA-100 Angriff Maniacが、BA-100に独特なポジションを与えた…というのは、言い過ぎでしょうか。すなわち、「カスタマイズに充分耐えうる自転車である」ということです。ユーザーによる各種レビューでも、この手の自転車としては比較的評価がよい方で、気になる存在です。

しかし、ご多分に漏れず(?)、WACHSENの自転車もなかなか実車を見る機会に恵まれません。そんな時に、WACHSENのショールームがあることを知りました(今年1月にできたようです。PDF)。「WACHSENの見学、試乗もできます♪」という情報を得たので、行ってみることにしました。しかし、このショールームがあるのは大阪なんですよね…。静岡県からだと、往復+宿泊でWACHSENが1台買えちゃいます(笑…えない)。

※注意:ショールームは(株)阪和の業務エリア内にあります。訪問の際は、事前に連絡を入れて、訪問時間の予約をなさるようにしたほうがよいでしょう。突然訪問した場合は、対応できない可能性があります。


さて、お約束の時間に伺ったところ、5階へと案内されます。対応してくださったのは、商品開発部の村上様と、第2営業部の鈴木様です。

※注意:以下の話は、katagiriのメモ及び記憶を元に構成しておりますので、不正確な内容を含む可能性があります。本件内容について、(株)阪和その他へのお問い合わせはなさらないようにお願いします。なお、表現を微妙に不明瞭にした箇所がございますが、意図をお察し下さい。

BA-100について

メーカーという立場では、カスタマイズを公式に推奨するようなことは言えないが、仕様が結果として「いじり代(しろ)」を残しているとも言える。WACHSEN BA-100 Angriff Maniacの存在はありがたい。(中の人に)一度会って話をしたい。BA-100の売上げは、じわじわと伸びている。レビューで評価していただいた影響かと思っている。低価格、品物の良さが評価された。チェーンラインに影響しないよう、チェーンステー無しのフレームデザインにした。見る人が見れば分かってくれるはず。太目のシートポストで、強度を出している。安全性第一でデザインしているので、どうしても重くなる。JIS規格の試験をパスすればよいというものではなく、試験後も使用に充分耐えうるものでなければならない。強度は、我々の自信である。(約13kgという表示より、実測はもっと軽いのでは?との問いに)個体差があるので、余裕をみた標記にしている。「価格重視」の中でスペックを出すよう頑張っている。7速化は、一部車種だけ対応というのは調達の都合上難しい。やるなら全車種という話になる。

コンセプトについて

これまでママチャリ(シティ車)に乗っていたユーザーが、無理に背伸びしなくても手の届くものを…と考えている。BA-100のタイヤが(20×1.5ではなく)20×1.75なのも、乗り心地面に配慮してのこと。(とはいえ、一部車種については思い切ったタイヤの選択となっている。)特殊な規格を極力使わず、汎用性のある部品を使うようにしている。また、デザインについてもシンプルさを重視している。結果として、言わなくても分かるようなつくりになっている。サス付き自転車は、市場のニーズがあるので出しているが、サスの意味は殆ど無い。とはいえ、BC-100 Anneについては、乗り心地を徹底的に追求してみた。おかげで非常に重い自転車になったが、意外と評判はよい。仕様を極力ママチャリに近付けてある。前カゴについては、「コンビニ弁当を倒さずに置けること」を追求してサイズを決定した。

輪行しやすいデザインについて

某社の意匠に類似とか、パテントぎりぎりの商品を出すことはできない。強度を考えた場合、これ以上の軽量化は難しいのではないか。キャリーバッグで工夫することを考えたい。

販売ルートについて

販路は課題になっている。家電量販店でも売ってもらいたい。ヴィレヴァンでの展開も。ネット店舗で売ると、どうしても実売店舗で売りにくい(価格差問題)。実店舗販売に強い自転車会社と、ECサイト向けに強い自転車会社は一致しない傾向にある。

ユーザーレビューについて

ユーザーからの声を直接聞く機会が少ないので、価格.com や Amazon.co.jp 等のコメントは、貴重なものとして読ませていただいている。

その他

プレミアムモデルの発売を検討している(未定)。調整については頑張っているが、出荷段階で追い込むのは難しい部分がある。購入後はぜひ店舗等での調整をお願いしたい。ユーザーサポートも立ち上げている。BBをシールドにすることは、価格面でそれほど良い物を使えないので、難しい。「折りたたみ自転車長寿命化設計」には直接は参加しなかったが、情報は収集しており、勉強になった。各社とも、試行錯誤の段階だと感じた。DNP社製スプロケットの採用については、やることは簡単だが、調達コストが上がることになるのと、トップ段で(簡単に)30km/hを出せてしまう自転車を売ってしまってよいのか…という思いがある。BA-160 Franについては、16インチということで採用したが、今のところ国内初・唯一のDNP社製スプロケット採用完成車となっている。泥除けの装着(katagiri注:公式Twitter上で、泥除けの必要性を尋ねるTweetが以前あった)については、他の某社でも開発サイド(デザイナー)と営業サイドで意見の対立があったと聞いている。見た目を重視したセンタースタンドにしているが、「使いにくい」という声は聞いている。とはいえ、リア一本スタンドにもフレームに影響する等デメリットがある。B社の「D」ブランドに追いつけ追い越せという気持ちでやっている。「D」ブランドは、コミュニティの存在がうらやましい。

如何だったでしょうか。katagiriの文才ではとても表せないのですが、WACHSEN(ヴァクセン)の中の人の本気具合をビシバシ感じました。

さて、ショールームといいましても、部屋中にWACHSEN(一部はHEAVEN'sなど)の自転車が所狭しと並べられておりますので、実際に走行することは不可能です。しかし、実車に乗車したり、折りたたみ操作を試したりすることは可能ですので、試させていただきました。走行してみないと分からない部分はありますが、BA-100系列のフレームは、よく考えた作りだな…と感じました。

他にも、塗装のこだわりポイントや、乗車時ポジションや乗り心地を考慮したフレーム設計などを解説していただきましたが、本当に感心するばかりでした。

展示会用の試作車(!?)も見せていただきました。一見すると普通の自転車なのですが、

キラッキラでした!
さすがにこれは、発売予定は無いそうです。

※注意:ショールーム内写真については、全て許可を得て撮影しています。

村上様と鈴木様には、長時間に渡りお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。また、事前の連絡等で、公式Twitterの中の人にもいろいろお手数をおかけしました。この場を借りて、お礼申し上げます。

それにしても、これだけ一気にWACHSEN(ヴァクセン)について分かってくると、何か1台欲しくなっちゃいます(汗)。BA-100だと定番過ぎるので、敢えて色違いのBA-101 Weißあたりが候補でしょうか。

テーマ
コメント (4)
このWACHSEN(ヴァクセン)もすごくいいみたいですね。^^
デザインがMuP8に似てる〜。^^;;;

じつはダホンメトロやドッペルギャンガーも検討したことはあるのですが、みなさんギアに不満が出てカスタムしてる方が多いですよね。
結局、すごくお金が掛かったり(掛けたり?)
それなら、ダホンのボードウォーク以上の車種がいいかと思ったのです。

カスタムされてるサイトを見ても初心者の自分には分かりづらい部分が多いのです。
でも、「WACHSEN BA-100 Angriff Maniac」はすごいですね。
まるでメーカーの取り説みたいです。(汗

で、、この著者さんがカスタムされた後の状態なら
値段的にも性能的にも十分満足がいくモノかと思いました。
ギア関係はともかく、可変式のハンドルステムが最高です。^^

「WACHSEN BA-100 Angriff Maniac」のおかげで
ドッペル並みの一大勢力になるかもしれませんね。
Hiro@^^
>Hiro@^^さん
確かに、吊しの状態で使うのであれば、最初からある程度の価格の物を買う方が無難だとは思います。
ただ、カスタマイズするという楽しみも、悪くないですけどね。メンテナンスの勉強にもなります。

ヴァクセンさんは一見地味なのですが、結構真剣に取り組んでいらっしゃるので、今後の展開も目が離せないですね。
katagiri
"WACHSEN BA-100 Angriff Maniac"の著者です。
WACHSENのショールームの記事、大変、興味深く読ませていただきました。プレミアムモデル、気になりますね!
robotic-person
>robotic-person さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
…って、Maniacの中の人じゃないですか(汗)。すいません。勝手にネタにさせていただきました。
WACHSENさんですが、「低価格」という至上(市場!?)命題の中で、結構まじめに頑張っていらっしゃるように感じました。また、「設計者が込めたメッセージ」という話も興味深く伺うことができました。「チェーンステーが無いデザインだと、チェーンラインが支障しないから、チェーンホイールを(略)」とか、結構面白い話もありましたね。
プレミアムモデルについては、需要やコスト等との見合いもあるので、検討段階といったところだと思われますが、期待したいですね。
katagiri

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