アジサイ (紫陽花)

雨に濡れて一際鮮やかに青色がさえるアジサイ(紫陽花)の花は、サクラ(桜)とともに日本を代表する花といえる。梅雨時の、重く雲がたれこめた天気によく似合う花だ。

梅雨から夏にかけて咲くアジサイ(紫陽花)は、七変化といわれるように咲いているうちに、段々と色が変化していく。反対に太陽が散々と降り注ぐ季節まで咲いていると、哀れな姿になる。

しとしと雨が降る時期に咲くアジサイ(紫陽花)の花、まさに日本の梅雨の風景である。

梅雨の訪れを告げる花、アジサイ(紫陽花)が綺麗に色づき始めた。アジサイ(紫陽花)の名前にはどんな由来があるのだろうか。

和名の「アジサイ(紫陽花)」は集と真藍が変化したもの。集は集まる、真藍は青い花という意味である。つまり、アジサイ(紫陽花)は「青い花が集まって咲いている」花の姿を表現した言葉からきている。様々な色を持つように、別名も沢山あり、多彩な色の変化から、七変化や八仙花、丸く集まった姿から手毬花などと呼ばれている。

アジサイ(紫陽花)は長崎市の市花であり ゆかりのある花である。アジサイ(紫陽花)の学名の中には、変種名にオタクサとある。これは、幕末に長崎オランダ商館に来ていたドイツ人医師シーボルトが、アジサイ(紫陽花)の中でも大輪で一番美しい品種に、自分が愛した楠本滝という丸山の遊女(通称は、お滝さん)の名前を取って命名したことで有名である。

アジサイ(紫陽花)」という漢名は、中国の唐の詩人、白楽天(白居易)は若い頃、江州の郡守をしていた。或る日、白楽天が管内の招賢寺を訪れた時、寺僧が白楽天に、名前が不明の紫色の美しい花を見た。白楽天は暫く花に見惚れてから、一詩を寺僧に与えた。
「紫陽花詩」
何れの年にか植えて仙壇の上に向う 早晩移栽して梵家に到る
人間に在るといえども人識らず 君がため名づけて紫陽花となさむ
そして、「白氏文集」(巻第20)には下記のような「紫陽花詩」の註釈がある。
招賢寺に山花一樹あり、名を知る人無し 色紫にして気香しく、芳麗にして愛すべく、頗る仙物に類す
よって紫陽花を以ってこれに名づく

平安時代になって源順が、白楽天の造語の「紫陽花」をアジサイと思い込んで、自から著した「倭名類聚抄」に「白氏文集律詩に云ふ、紫陽花 和名安豆佐為」と書いた。その後、貝原益軒も「大和本草」で「紫陽花」と書いており、アジサイに「紫陽花」の字をあてることが定着した。併し、アジサイ(紫陽花)は日本原産の植物で、白楽天がアジサイ(紫陽花)と名付けた花は実際は別の花だと考えられている。紫色で香りがよいライラックが有力候補のようですが、想像の域を出ていない。

ゆきのした科アジサイ属の落葉低木である。学名は「Hydrangea macrophylla form. macrophylla」であるが、属名の「Hydrangea(ハイドランジア)」は、ギリシャ語の「hydro(水)」と「angeion(容器)」が語源にちなみ、種小名の「macrophylla」は「大きな葉の」を意味している。

樹高は1〜2mくらい。葉は光沢のある淡緑色で葉脈のはっきりした卵形で、周囲は鋸歯状。5月下旬〜7月中旬に紫(赤紫から青紫)色の花を咲かせる。一般に花と言われている部分は装飾花で、本来の花は中心部で小さく目立たない。花弁に見えるものは萼である。セイヨウアジサイ(西洋紫陽花)では全てが装飾花に変化している。

紫、ピンク、青、白など色々とあり、花の色は土が酸性かアルカリ性かによっても変わるみたいである。アジサイ(紫陽花)の花は酸性土壌であれば青色の強い花が咲き、アルカリ性土壌であれば紅色の花が咲く。これは、アルミニウムを吸収したりしなかったりで色が変わるためである。また、花の色は、土によるのではなく遺伝的に決まっている、という説もある。

愛知県蒲郡市の形原温泉に伝わる「紫陽花寺の伝説・花盗人」
その昔、形原町が「かたのはら村」と呼ばれていた頃、1人の娘が人目をはばかるように、両手一杯にアジサイ(紫陽花)の花を抱え、夜道を歩いていた。家に戻った娘は、ほっと溜息をつき、アジサイ(紫陽花)の花を玄関の引き戸の上に飾り付けた。「さあ、これで今年も災難に遭わず、お金にも不自由せずに済むことだわ」とつぶやいて、年に一度の盗みを仏様にあやまった。
これは形原の町に古くから伝わる俗信で、人に見つからず、他人の家のアジサイ(紫陽花)を盗ってきて玄関に吊すと、お金が貯まり、厄除けになるという。お互いに他人の紫陽花を盗み合ったために、見かねた補陀寺の住職が「寺に紫陽花を植えておいてあげよう」と境内に植えておいたという。今もこの風習は形原町の一部に残っているという。

また、石川県金沢市にも同様の迷信的行事があるそうである。金沢市の家の玄関には、夏の土用にアジサイ(紫陽花)のドライフラワーが吊るしてあるという。土用三番の日に、よその庭からアジサイ(紫陽花)一枝を盗んできて、それを半紙に包み、紅白の水引をかけて、玄関に逆さに吊るす。そして、「今日のよき日にアジサイ(紫陽花)の金袋、紫色ぞ我がものと思え」という言葉を唱える。このアジサイ(紫陽花)の門守りは、お金に恵まれ、商売繁盛に繋がると信じられていて、人気があるという。

アジサイ(紫陽花)を詠んだ歌は万葉集には2首のみある。平安後期になると、しばしば詠まれるようになった。
「言問は ぬ木すら味狭藍 諸弟らが 練の村戸に あざむかえけり」 大伴家持 万葉集 (巻44 773)
「紫陽花の 八重咲く如く やつ代にを いませわが背子 見つつ見つつ偲ばむ」 橘諸兄 万葉集 (巻20 4448)「あぢさゐの 花のよひらに もる月を 影もさながら 折る身ともがな」 源俊頼 (散木奇歌集)
「夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に 月もすみけり」 藤原俊成 (千五百番歌合せ)
「あぢさゐの 下葉にすだく 蛍をば 四ひらの数の 添ふかとぞ見る」 藤原定家
アジサイを詠んだ俳句
「紫陽花や 藪を小庭の 別座敷」 松尾芭蕉
「紫陽花の 末一色と なりにけり」 小林一茶
「紫陽花や はなだにかはる きのふけふ」 正岡子規
「紫陽花や 折られて花の 定まらぬ」 藤原保吉

花言葉は威張り屋、無情、あなたは冷たい、移り気、浮気である。

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