東武鉄道6050系(完成品)購入後のお手入れ

 GMから完成品としてリニューアル発売された6050系を整備します。

 6050系は、浅草から日光・鬼怒川方面を結ぶ快速・区間快速および栃木県内のローカル列車に使用されている2ドアボックスシートの快速型車両で、リーズナブルな長距離列車として知られているためか古くからGMよりキットが発売されていました。
 一番最初は未塗装・板状のエコノミーキットで、のちに一体成型ボディの塗装済みキットが発売。そして2013年12月になって、ついに完成品でのリリースと相成りました。100系スペーシアと同様、3段階出世を果たした車種でもあります。

 6050系は旧型快速電車6000系の車体を載せ換えた「更新車」と、部品を一から製造した「新造車」に大別されますが、今回の完成品ではその両方がラインナップされています。
 発売されたのは更新車と新造車の4両セット(動力を含む2+2連)と増結2両セット(動力なし)の、計4製品。更新車と新造車は台車が異なるので簡単に判別できるほか、新造車の増結2両セットは霜取りパンタグラフが増設された編成として差別化が図られています。



 安価な製品ではないのでそういくつも買えず、私は更新車4両セットと新造車2両セットで6連が組めるように購入しました。
 この組み合わせだと台車の違いを楽しめるほかダブルパンタ車も含まれるので、走らせても面白いでしょう。どうやら同じことを考える方も多いようで、比較的この2製品が品薄傾向にあるようです。

 ちなみにGMとほぼ時を同じくして、トミーテックからも鉄道コレクションでの製品化が発表されました。
 2011年の東武ファンフェスタで発売された事業者特注品のバリエーション違いで、今度はGM製品とバッティングする現行仕様になるとのこと。
 値段や造形の差を考えてもGMから見れば脅威となるだろうことは間違いなく、どのような仕上がりになるのか楽しみでもあります。


 GMスタッフブログ曰く「EVOシリーズ103系の造形技術を取り入れた最初の製品」だとかで、確かにかなりレベルの高い仕上がりになっているように感じられます。
 したがって大々的に手を入れることはしていないのですが、製品の紹介がてら少し細部をお見せしたいと思います。



 ジャスミンホワイトの微妙な色合いも、赤とオレンジの細帯の印刷もキッチリ決まっています。
 前面窓下部のブラックアウト部分は、塗装済みキットと異なりボディ側に表現され、ライトケースは一体で成型したところへ銀でリムの印刷を入れるというなかなか凝ったパーツ構成になっているのがわかるでしょうか?

 靴擦りや乗務員室ドア左右の手すり、ドアノブ、側面方向幕のフチなど実車もステンレスむき出しになっている部分は、デフォルトで銀色の印刷が入れられています。塗装済みキットでは一つ一つ筆で色差しをしていたところだけに、これは嬉しい進化。
 乗務員室左右の「乗務員室立入り禁止」表記は10030系完成品ではオミットされていたものの、6050系では印刷済みに。写真には写っていませんが、後位ドア脇につく「TOBU」ロゴも綺麗に印字されています。
 表記関係で私が入れたのは、乗務員室ドア窓の「乗務員室」という白文字だけ。弊社標準品のレボリューションのインレタを使用しましたが、実にラクになったものです。

 クハ前面には貫通幌がつきます。パーツが同梱されていますが、取り付けるのが前提なのかクハは幌枠の銀色印刷が省略されていますので、ぜひつけたいところです。
 実車はホロの枠部分が車体色に塗られていますので、いつも通り色差しして表現してみました。というかこれをやらないと表情がおかしくなりますね。
 Mr.カラー69番「グランプリホワイト」を筆で塗った後、帯部分を3mm幅にマスキングテープで残してGMカラー1番「赤2号」で塗装。塗装済みキットの説明書などでは27番「西武レッド」が指定されていますが、赤2号の方が色合いは近いです。

 行先方向幕は、製品状態では前面のみ「区間快速 浅草」が印刷済み。側面は省略され、ステッカーが別売されるというスタイルは近年のGM完成品標準です。
 ちなみにこの別売ステッカー、1枚1300円という目玉の飛び出るような値段がする上に1枚には4両ぶんしか含まれないので6連だと2枚買わなきゃいけないというクセモノですが、その値段だけに今まで6050系が装備した方向幕3パターン(赤快速英字なし・赤快速英字あり・青快速)を網羅し、実にさまざまな表示が含まれています。
 思わず「こんなのあったの?」と言ってしまうような表示も少なくなく、値段相応のワクワク感を提供してくれる逸品であることは付記しておきましょう。



 6050系と言えばその豊富な表示パターン!
 ……ということで、お高いステッカーをせっかく買ったのでそれを駆使して色々遊んでみました。

 左から順に「快速 東武日光(鬼怒川温泉)会津田島」(クハ6261)、「普通 下今市」(モハ6161)、「区間急行 新栃木」(クハ6275)、「区間快速 浅草」(モハ6175。デフォルト印刷のまま)、「区間快速 (鬼怒川温泉)新藤原」(クハ6251)、「区間急行 浅草」(モハ6151)。
 ダブルパンタ車が前に出るように6175F-6151F-6161Fで編成を組んだときに区間快速(快速)が、前後を入れ替えて6161F-6151F-6175Fで組むと区間急行が前に出るようにしてみました。
 前面幕ステッカーは分解してライトユニットに直接貼りますが、分解しにくいGM完成品にあってこの製品は実に外しやすく、作業に難儀することはありませんでした。ステッカーも薄手ですが下に印刷されている「区間快速 浅草」が透けることもなく好印象。

 側面は水色の目立つ「区間快速 浅草」で統一してありますが、専用品でありながら方向幕のモールドとステッカーのサイズが合わないのはいかがなものかと……。
 切り出す際は印刷いっぱいにカットします。それでも左右が開き気味なのでなるべく真ん中に貼るようにしましょう。

 ちなみに2013年3月改正で「快速 浅草」行きが消滅し、すべて区間快速に統合されてしまいました。快速とは言えもともと新大平下まで各停扱いだったので、区間快速の停車駅が見直されたことによるものですが、それでも寂しいものがありますね……。
 なお同改正で新栃木発着の区間急行は、早朝深夜に6050系を使用する便を残して全廃されています。間合いの区間急行もいつまで残るやら。
 そう言えば6050系による浅草発の各停北千住行きなんてのもありましたが、あれってまだ走ってるんでしょうか……?



 屋根上の様子。

 「新ロゴマークつき」という商品名からもわかる通り今回の製品は現行仕様なので、客室用小型ベンチレータは撤去されています。写真ではまったくわからないですが、この撤去痕もきれいにモールドされており、塗装済みキットからの進化を感じますね。
 ダブルパンタ車では前後のパンタが引き通されているので母管と2本の作用管が海側を通りますが、これも実に繊細に表現されています。配管モールドは全体的に控えめで、完成品とは言えもう少し大げさでもいいかも?と思ったり思わなかったり。
 屋根自体はグレーで塗装されていますが、クーラーを始めすべての屋上機器は未塗装。パーツの色もクリーム色をしていて明らかに不自然なので、手を抜かず塗装してやると見映えがします。

 クーラーなどの塗装にはMr.カラー35番「明灰白色」を使用。これも弊社標準品で、青みがかった色彩が特徴で東武電車の屋上機器によく似合います。
 列車無線アンテナはGM完成品標準の取り付け脚が半円形のものですが、穴の寸法がきつめなので脚はマスキングしてから塗装することをオススメします。円形なら穴がきつくても削って広げられますが、そうもいかないので……。

 乗務員室クーラーは通勤車にはない装備で、こいつの色については諸説ありますが(登場時は銀色で、後に客室クーラーと同じ灰色に塗られたらしい?)、今回は現行仕様ということで同色に塗装しています。
 側面のメッシュ部が運転台側を向くのが正しい向きですが、この製品では取り付け向きを間違わないようポッチがついていてよく考えられていますね。

 パンタ脇につく避雷針はオミットされていますので、8000系キットの余りなどを用いて追加しておくとよいでしょう。
 避雷針はカバーが2種類ありますが(大きいゲンコツ型のものと小さい円筒形のもの)、8000系同様6050系も編成や時期によって異なるので、実車をよく調査してから取り付けるのをオススメします。
 ちなみにモハ6161はゲンコツ型、モハ6151とモハ6175(前後とも)は円筒形でした。ダブルパンタ車では前後でカバー形状が異なる車両もあるので面白いですよ。



 床下の様子。

 完成品にも関わらず床下機器を流用で済ませがちなGMにおいて驚くべきことに、クハ用の床下機器が新規で起こされました。
 モハは相変わらず既存品(品番B。おそらく103系1000番台用?)の流用ですが、今回に限っては当たらずとも遠からずと言った感じなので気にならない人はそのままで充分と言った感じ。
 私も毎回床下機器の並べ替えはやっているものの、それほど強いこだわりがあるわけでもありませんが、モハの床下は一応それなりにいじってあります。クハは胸を張ってそのままです!

 写真は上からモハ海側、モハ山側、クハ海側、クハ山側。
 モハ海側はデフォルトをベースに、名鉄用か何かのパーツを買ってきて適宜差し替える感じで再現。でっかい制御器箱もデフォルトのままです。
 モハ山側は抵抗器の数がいくつか足りないので、同じパーツをニコイチして表現しました。6050系は17箱の抵抗器がずら〜っと並ぶ姿が魅力ですが、実物は向かって左から9個目と10個目の間だけ不自然に間隔が開いているので、模型でもここで切り継いであります。
 クハの床下機器は実によくできていて、付随車ながらぎっしり詰まった実物の雰囲気がよく出ています。古めかしいMGやポコポコ音のするCPなど実に良い感じです。



 一応気になる方も多いと思うので、さらっと旧製品(塗装済みキット)と鉄コレ(限定品の登場時)との比較でもしておきましょう。

 写真は左から塗装済みキット組立品、今回の完成品、鉄道コレクション。

 前面は正直、GM完成品がダントツでよくできています。おでこのラインや窓のバランスもちょうどよく、最新の製品だけあって非常に細かいモールドまで実に綺麗です。
 新規製作された専用のスカートパーツはモハとクハで作り分けられ、連結器左右の箱や配管まで表現されている逸品。完成品は買わないという方もこれだけはパーツを買っても良いほどとオススメできます。
 強いて言うなら急行灯がボディとほぼツライチになってしまっているので(東急8500系のテールライトみたい)目立たないのと、スカートもそろそろSPタイプのTNカプラーに対応して欲しいなぁ……ということぐらいでしょうか。

 対して旧製品の塗装済みキットは、よく言えばなかなかに歴史の感じられる造り。
 完成品ではボディ側表現とされた前面窓下部のブラックアウト部分は塗装済みキットではガラス側の表現で、ライトはさらに別のパーツを接着するという構成。しかしパーツが非常に組みにくく、また形がおかしい(上下に潰れ過ぎている)ため変な表情になってしまっています。
 オデコのラインも丸っこく「なで肩」で、ガラスの印刷もあまり綺麗ではありません。行先ステッカーは作例では裏側から貼っていますが、付属のものは単純にガラスの上から貼るようになっています。
 スカートも8000系の流用でスカスカ感が否めない感じでしょうか。外側からはめる急行灯の表現はなかなかイカしていますが、完成品と並べてしまうとやっぱり見劣りしますね。

 一方の対抗馬、鉄道コレクションですが、イイ線行ってるもののどちらかと言えばGM完成品の勝利。
 オデコが広すぎるため全体的に顔が横長に見えてしまい、眠たげな表情。ブラックアウト部分はGM完成品同様ボディ側表現ですが、ライトリムの印刷が汚いのでイマイチすっきり仕上がっていません。
 行先表示はなぜか印刷済みですが、これもあまり綺麗ではないですね。しかもガラス裏側に直接印字されているので、表示を変えようと思うと一大事です。
 スカートは個人的にGM8000系キットのものを使用していますが、標準のパーツも大差ない出来。しかも分割併合を得意とする6050系でありながら、TNカプラーに対応していないので要加工という点も難儀です。
 塗装はやっぱり鉄コレクオリティーで、全体のモールドが悪くないだけに非常に惜しい。腕のある方が塗装し直せば化けるかもしれません。
 なお鉄コレだけ前面貫通扉の周囲のホロ枠が銀色ではなく車体色ですが、これは実車も登場時はこうなっていましたので、エラーではありません。



 側面も比較してみます。
 写真は上から鉄道コレクション、GM完成品、GM塗装済みキット。

 まず下回りですが、台車は圧倒的に鉄コレの勝利。GMが8000系のFS356・FS396を流用している一方、鉄コレは6050系専用の台車を開発したうえモハとクハを造り分けるなど、重厚な足回りを演出しています。
 ただ床下機器は鉄コレは既存品の流用なので、実車とまったく異なるのが残念。GMは先述の通り完成品化に際してクハの床下機器を専用で起こしたので、この点は評価できます。

 側面の造形は、こちらもやはりGM完成品がイイ線行っています。全体的にやや窓が大きく丸っこいのが気になりますが、実車の雰囲気という点ではピカイチでしょう。
 塗装済みキットの特徴は客室窓の窓枠がガラス側の表現となっていること。スッキリしてはいますが、いかんせん実物はこうなっていないため非常に違和感がありました。直近の生産品では帯の印刷が汚いものが散見されたのも残念。
 鉄コレは、……まあ鉄コレという感じ。帯の塗装もこの値段なら許せるけど、というレベル。細かい色差しや表記も入っていますが綺麗じゃないので、個人的には余計なことしないで><と言いたいくらい……。造形は非常に美しくバランスが良いのですが、やっぱりそれ以外のところで損している気がします。


 ……と、こんな感じで比較してみましたがいかがでしょうか。

 個人的にはEVO云々言われているだけあって、非常に出来のいい製品だと思います。値段が飛びぬけているのと台車など下回りがアレなのを除けば、6050系の決定版!と言ってもいいくらいでしょう。
 塗装済みキットを持っている人が(私のように)買い替えたいと思っても不思議じゃないはずです。時代の差はあれど、それだけGMの6050系の進化を感じられる製品です。

 ただ今後鉄コレでも現行仕様がリリースされますので、いざ購入しようとするとそれとの天秤になるでしょう。鉄コレには鉄コレの魅力がありますので、ユーザーの要求に合わせて棲み分けされればと思います。



 ちなみにこの製品を買って私が一番驚いたのは、ライトの光源が白色LEDになっていることです。
 従来GM完成品で白色LEDが用いられるのは実車がHIDランプの場合だけで、白熱球の車両では暗〜〜〜い黄色LEDが使用されてきました。が、この6050系ではご覧の通り、非常に明るく光ります。素晴らしい!
 どういう方針転換があったのかは知りませんが、これが今後も標準になってくれればこれほど良いことはありません。

 さてさて、6050系は非常に好きなクルマなので、できれば買っていない新造車4両セットと更新車増結2両セットも欲しいところなのですが、お財布事情的にそうもいかないので、とりあえず6両だけ我が家に迎えてみました。いずれ増備したいですね。
 ダイヤ改正の度に活躍の場が狭まる6050系、ついに日中の区間快速が120分ヘッドになってしまいましたが、まだまだ元気な老兵の姿を手元で楽しめるのは幸せなことでしょう。

 で、例の別売ステッカーの右下にスカイツリートレイン用のLED表示も含まれていたんですが、これはフラグですかね……?
 634型はもちろん、野岩・会津仕様も期待しておきましょう!



 久々の更新になってしまいましたが、さて次回はこいつを料理したいと思います……。
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コメント (2)
こんにちは。
他製品との比較、大変参考になりました。
当該製品は私も購入しましたが、動力車の床下が気になっています。GM製品は旧製品の6050系も購入しましたが
今回の製品でhモーターからのシャフトが丸見えなのですが
そういうものなのでしょうか?
旧製品にはそれなりにカバーがついていて隠れていますが
もしかして不良品ではないかと心配です。
質問です
お返事たいへん遅くなりまして申し訳ありません……。
シャフトの件ですが、残念ながらこのような仕様となっています。ただ、露出と言ってもひっくり返して見えるというだけなので、強度面でも実用性でも問題はないと考えます。最近の仕様変更再生産品も同様です。
いつもご覧いただいてありがとうございます。
invite(管理人)

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