横浜 慶珊寺 木造十一面観音半跏像


 慶珊寺は、この素晴らしい観音さまよりも
むしろ別の事柄で有名かもしれません。
ヘボン式、で有名なヘボンが宿泊し、こちらで
海水浴をした・・・それまでは日本で「海水浴」の
習慣がなかった、という お話を ご住職に うかがいました。

 ゆっくり お参りしなさい、
 帰る時に 声をかければいいから、

と お茶を淹れていただいたのに、残念な この写真!

 さて、この観音さまは、非常に美しいお顔立ち。
岩の上にお座りになって、まるで海辺や湖を想像してしまいます・・・。
髻(もとどり:結った髪の毛の上部)も、まるで
髪飾りのように芸術的で、左手をゆったり膝にのせ
右手を後ろにまわして、岩においたところなんか、
まるで美人画をみるようです。
さしづめ、リゾート美人といったところでしょうか?
 いえいえ、観音さまの水辺には、きちんと理由があるのですが
それは又今度触れるとして・・・。
 どちらかというと、仏さまは「動かないかっこう」をしている
イメージがありませんか?けれども、鎌倉期から
大陸の影響で、こんなに身体の動きが自然で
柔らかくなるのです。もちろん、中国でも
ヨーロッパの影響で、そのようになったのですね。
 また、この時代までは 背面も意識して制作されていますから
衣が肩から背中まで、美しく流れ落ちていますねえ。
もっと時代が進むと背面はつるつるぺっしゃんこ。
後ろから拝むこともないから、なるほどね、ではあるのですが。
ただし、江戸期の「懐古主義」で作られた御仏の場合は別。

 東慶寺・水月観音が大好きな私は、
よく比較にされる この観音さまに一目会いたくて
お参りさせていただいたのです。

 本来なら化仏(けぶつ:頭部にある十一面の観音さまの顔)が
あった部分に、ホゾ(さしこみ用の穴)があるのが見えるかなあ・・・。
不自然な手や足の先端は、補修したものだそうです。
胎内に朱書の銘文があり(※1)、鎌倉時代の
仏師・院誉が正慶元年(1332)に制作したことが判明しています。
昭和33年11月に、県の重要文化財に指定されました

寄木造・布張漆塗彩色・玉眼嵌入
法量:41.0cm

※1 神奈川県教育委員会『神奈川県の文化財 5集「県指定文化財」』
「大仏子三かハのほつけう
  しそく院誉(光か)花押
 正きよう元年ミつのへ
         さる   十二月十九日」

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