雷電 TAICレポート

TAICのレポートにある雷電は、日本でのイメージとは全く違ったものです。
最大速度は655km/5300mで、昭和19年の時点では世界最速の部類にはいります。操縦性については、ほとんど問題なく離着陸、特殊飛行も容易と評されています。問題となった視界も疾風よりよく、少し前方視界が悪いのも尾部が上がれば問題なしとしており、全般として良好とされています。
指摘されている欠点は、補助翼が520km/hを超えると非常に重くなる、昇降舵が軽すぎる、失速に入る前兆がない、機体の信頼性が低いといったところです。
この辺りまでは既にいろいろなところで引用されているところですが、細部では紹介されていない面白い点もあります。
たとえば強制冷却ファンについては、非常によく冷えるということで冷えすぎの傾向を心配しています。他には雷電の水上戦闘機タイプがあるらしいなどということも書かれています。
さて、一番重要な総合評価です。このテストを行ったパイロットは、零戦、一式戦、二式複戦、四式戦を飛ばした経験のある人物で、これらと比べてP-51には及ばないものの日本機のなかではベストの戦闘機との評価を与えています。
日本の戦闘機のなかでもこれだけ日本側とTAIC側の評価が分かれるものはないでしょう。最終評価は実際に使用した日本海軍のものでしょうが、雷電の潜在能力はかなり高いところにあったという点だけは、TAICのテストから読み取れると思います。
雷電も発動機に翻弄され、生産計画が二転三転しましたが、この様な混乱がなくもう少し熟成に時間が掛けられればもう少し評価が高くなったのかもしれません。
次からももう少しこのレポートを素材に書いてみたいと思います。

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