新世界(Shinsekai)

前回のSound Horizonに引き続き、今日もちょっと変り種のグループを紹介しましょう。
下田祐率いるプログレバンド『新世界』です。



このバンドですが、一言で言ってしまうと「道楽バンド」です。これまでに音源を2つ発表していますが、その時に応じてメンバーを集め、高価なヴィンテージ機材(メロトロン、ミニモーグ、オンド・マルトノなど)をふんだんに使い、サウンド面だけでなくデザイン面でも凝りに凝った(1stアルバムはなんとソノシート付きデジブック仕様)作りになっています。
主催者である下田祐は若干25歳の若者ながら、自らレコード会社『フラジャイルオンライン』を興し、作詞、作曲、編曲を手掛け、様々な楽器を演奏する本格派です。そんな彼によって集められたメンバーは、人間椅子頭脳警察などで活躍した後藤マスヒロを始めとして、KBB内核の波金属恵比寿(いずれも日本のプログレバンドで3組とも世界最大と言われる『Baja プログレフェス』への参加経験あり)のメンバー、さらには日本で唯一と言われるプロのヨーデル歌手や杉並児童合唱団など、ジャンルに囚われない、と言うより混沌とした顔ぶれになっています。

音楽性においてはKing CrimsonMAGMAなどの初期プログレッシブロックへのオマージュを強く感じますが、そこにゲーム音楽や民族音楽の要素も絡み合っており、さらには確信犯的パロディも入っています。年季の入ったプログレマニアや、R25世代のゲームファンならつい口元がにやけてしまう事でしょう。私自身、2ndアルバムに収録されている『千日前のインド人を右に』という曲を見た時は思わず吹き出してしまいました。
他にも『君が代』をメロトロンで弾いてみたり、メンバー同士の会話を集めたボーナストラックが入っていたりと、遊び心満載の内容です。
そんな新世界の音楽ですが、さすがに豪華なメンバーと機材を集めて製作しているだけあって、そのクオリティは非常に高いです。これをメジャーなレコード会社が金にモノを言わせてオムニバスとして作ったならまだしも、一個人が主催のバンドでこれだけの事をしてしまうのは驚きです。才能と経済力と実行力を併せ持った人間による”夢のバンド”と言えるかもしれません。

はっきり言ってしまうとプログレに関してある程度「わかっている」人が聴かないと100%楽しめる内容ではないと思いますが、逆に全くプログレの知識がない人が聴いてみるとその混沌さが新鮮で面白く感じられるのかなという気もします。でも個人的にそういう聴き方はあまりオススメしません(笑)


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