ブーメランのように (1976)

[400]アラン・ドロンには偏見と差別の中で孤立する男の姿こそ相応しい…?

(2009/10/17にUPした記事に加筆、修正)

ジョゼ・ジョヴァンニとアラン・ドロンのコンビが、
「ル・ジタン」の翌年に撮った作品。
初公開観た時さすがに
「ル・ジタン」ショックを受け入れようと思ったのを憶えてるよ(笑)。


物語的にはこれも「暗黒街のふたり」の系統。


ジャック・バトキン(アラン・ドロン)は、
再婚した妻ミュリエル(カルラ・グラヴィーナ)の実家を継ぎ、
大手輸送会社を経営している。
前妻との間にエディ(ルイ・ジュリアン)という
16才になる息子がいるのだが、麻薬に嵌っていて、


仲間たちの麻薬パーティに参加したある夜、
ラリッて銃を暴発させ、窓に隠れてパーティを偵察していた刑事を
射殺してしまう。
ジャックは顧問弁護士リテールに弁護を依頼する。


被害者の妻に謝罪すると、告訴を取り下げる約束をしてくれる。


エディの裁判に減刑の光明が見え始めた矢先、
ジャックの前身がマスコミに書き立てられる。
10年前まで、かれはギャングのボスで前科者。
息子エディのために更生し、実業家へと転進したのだ。

一転してエディに前科者の息子というレッテルが貼られ、
弁護士にも、下手をすると死刑判決が下されるかもしれない
と言われる。


ジャックは混乱する。
もともと悪いのは麻薬パーティを開いたエディの仲間や、
子どもたちに麻薬を売りつける連中だと探し回り、叩きのめす。


妻ミュリエルや弁護士は、
ひとりで動き始めたジャックを心配しはじめる。
昔のジャックに戻ってしまうのではないかと。


エディも父の変化を案じ、
自分さえいなければと留置場で自殺をはかるが、
未遂に終わる。


それを知ったジャックは動揺し、
エディを脱走させようと、パスカルという男に仕事を依頼する。


護送当日、パスカル一味が護送車を襲撃しエディを脱走させる。


ジャックはそのエディの手を取り、
サン・マルタン山岳地帯からイタリア国境へと逃亡しはじめる…。


青春が過ぎて16才の息子を持つパパになってしまったけど、
アラン・ドロンには偏見と差別の中で孤立していく男の姿が
ほんとによく似あうよね(^^♪


ジャックはどうして昔のジャックに戻ったんだろう?


いちばん大きいのは、
エディのためにと思って裏街道の足を洗い、頑張ってきたんだけど、
そのことがじつは全然エディのためになってなかった
と改めて気づいたからなんだろうね。
エディのためになってたら、
エディが麻薬をやるような子どもになるはずない訳で。


じゃあエディはなんで?
答えはひとつ。父ジャックの愛情に飢えていたから。
ジャックはそのことに気づかされて、
エディを脱走させ、国境を越えようとおもった。
そうすることで自分の、父の愛情を息子に伝えようとおもった。

そうでもしないとエディは一生、
自分と同じように偏見と差別に晒されると思ったからだよね。

しかしまあ、それをここまで描かれると、私なんか
涙ポロポロ流しながらも、一方では「う〜ん」って唸ってしまう。
なんだろ、この父と息子の絆の強さって思うからなんだけどさ。

エディの実母も継母も出てくるんだけど、
二人がこの父と息子の間に入れる隙間なんて全然ないんだもん。
日本だと母と子の絆が断然強いのに、
キリスト教圏になるともう絶対こうだもんねえ(^^♪


そういう意味で言うと一番グッと胸が詰まったのは
妻ミュリエルのセリフだったかもな。
顧問弁護士がジャック父子の逃亡を知って、
これで終わりだみたいなことを言うと、
ミュリエルが言うんだよね、
「私も(あの二人と)一緒に行きたい」って(喜)。

いいんだよねえ、カルラ・グラヴィーナ!

このセリフがなかったらさ、
この映画、ただ辛すぎて終わるだけだったかも。
いや、さすが私のジョゼ・ジョヴァンニ 、
よくわかってるし、うまいよねえ(^^♪

はい。これも私みたいなドロン・ファンには必見の映画だよ。




■102分 フランス ドラマ
監督: ジョゼ・ジョヴァンニ
製作: レイモン・ダノン アラン・ドロン
脚本: ジョゼ・ジョヴァンニ
撮影: ヴィクトール・ロドリゲ
音楽: ジョルジュ・ドルリュー
出演
アラン・ドロン
カルラ・グラヴィーナ
シャルル・ヴァネル
シュザンヌ・フロン
ルイ・ジュリアン

今年16歳になったばかりのエディ・バトキン(ルイ・ジュリアン)は、退廃的な麻薬パーティの仲間入りをして間もないある日、踏み込んで来た警官を恐怖のあまり、反射的に近くにあった銃で射殺してしまった。
エディの父のジャック・バトキン(アラン・ドロン)は、手広く輸送会社を経営する実業家で、エディは再婚したミュリエル(カルラ・グラヴィーナ)との子ではなく、前妻との間に出来た子だった。
留置場でエディと再会したジャックは、徹底的に弁護するから、と立ち直るように励ました。ジャックの顧問弁護士リテール(シャルル・ヴァネル)もエディを救出すべく、老いの身を投げうつ覚悟を固めた。
数日後、ジャックは、死んだ警官グリマルディの未亡人(シュザンヌ・フロン)を訪ねた。ジャックの誠意が通じたのか、夫人はかたくなな心を柔らげ、告訴を取り下げる約束をしてくれた。だが、新聞が一斉に、ジャックの前身を暴露したために−−前科者であり、ギャングのボスであったという過去−−夫人は、一転してエディを起訴した。
10年前までは確かにジャックは裏街道を歩いていた。だが、その世界から足を洗うために払ったこの10年間の辛苦が、ジャックを一流の実業家に変身させたのである。
ジャックは、エディを麻薬パーティに引きづり込んだ連中を捜しまわり、叩きのめした。こんなジャックを見ているミュリエルとリテールは、彼がまた以前の生活に戻っていくような危険を感じていた。「パパ、僕、死にたくないよ!」と叫ぶエディを見る度にジャックの心はかきむしられるようだった。エディと同じ牢にかってのジャックの子分が収容されており、彼から賭博場を経営しているパスカルというボスの存在を知った時、ジャックは動揺した。ジャックの心理的変化の危険をリテールから知らされたエディは、父のために死のうと自殺未遂を企った。ついにジャックは、パスカルの力を借りて、エディを力づくで奪回する決意をした。
その日、囚人護送車で転送されるエディを、パスカルの部下たちか奪回に成功した。ジャックとエディは非常線の張られている飛行場を避け、サン・マルタン山岳地帯からイタリアの国境へと逃亡した。数刻ののち、残雪きらめく山野を、国境線に向って、必死に走るジャックとエディの姿があった。だが、その二つの影を追う警察のヘリコプターが、上空から銃の狙いを定めた…。

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